キャッシュレスとペーパーレス(電子レシート)

現在、2015年より活動している 一般社団法人Fintech協会理事として、また今年創立した 一般社団法人キャッシュレス推進協議会メンバーとして、キャッシュレスとペーパーレス (電子レシート) を同時に推進しています。

同時に、一緒に、というのが実は重要です。

最近都内で増えてきたキャッシュレス専門店

ここでは一見競合と思われる企業同志も関係なく、日本のため、今後の業界発展のために、中立でオープンに手を取り合っているのがこれらの団体の良さです。特にFintech協会は、設立当初からスタートアップ/ベンチャー中心の代表クラスが参加し、理事同士の仲もよく、常に刺激を受け志を共有できる仲間たちです。

電子レシート

Fintech協会設立当初より、PFM/会計に関わる理事を中心に、有志による勉強会としてスタートしました。2016年に分科会へ昇格し、それから分科会担当理事として、経済産業省、POS標準化団体 (.NET 流通システム評議会)、小売/リテール企業の方々と電子レシートの標準化を共に推進させて頂きました。

Fintech協会「電子レシート分科会」経緯

現在における「紙のレシート」の大部分は、POSレジの中ですでにデータ化されています。これをわざわざデータから紙に印刷し、エンドユーザーが入手、そして必要に応じて手入力やOCRという高価な技術で紙からデータへ変換しています。

POSレジの世界と我々Fintechの世界は大きな川が流れ、船で渡り遠回りしているイメージです。しかもOCR技術の限界で精度が100%には絶対にならない、本当に非効率な状況です。

これをキャッシュレス/電子レシートがある世界では、POSレジの中のデータのまま、一気にAPIでつなぐ事でこの非効率を解決できます。POSレジとFintechの世界に高速道路の橋を通すイメージです。

当然ながら、直接上流でデータが繋がれば、改ざん防止もでき、レシートからのデータ精度は理論上100%になります。新たなデータ利活用の新サービスも含め、B2C、B2B両方のエンドユーザー、事業者等のメリットに繋がります。

電子レシート分科会では、それらの仕組みやメリット等を幅広く協会会員と共有し普及させる場となり、そして同時にレシート自身のデータフォーマットやAPIでの接続方式の標準化を約2年間ほど関係者と共に推進してきました。

実証実験

それらをより具体的に推進するために、2018年2月に東京都町田市にて経産省/NEDOによるFintechベンチャー含む25以上の企業や団体と共同で電子レシートの「標準データフォーマット」及び「APIに対応した電子レシートプラットフォーム」の実証実験に参加しました。電子レシートの標準仕様を検証する実験を行います~個人を起点とした購買履歴データの活用を通じて消費者理解向上を目指します~(METI/経済産業省)正確な消費者理解に基づく製品・サービスの開発・提供に役立つデータとして、購買履歴があります。 今回の実験の対象となる買物レシート(購買履歴)データは、誰が、いつ、どこで、何を買ったのかを示す、非常に有用な情報です。 …www.meti.go.jp

2018年6月には、その実証実験結果、および「電子レシートAPI仕様書 v1.2.5」ドキュメントが公開されました。

これは結構すごい事で、実店舗でリアルに買い物した購買/レシートデータが、中立でセキュアな「電子レシートセンター」に蓄積され、家計簿 (B2C) や経費精算/会計 (B2B) 等のFintechアプリ/サービスからトークンベースの認証でセキュアに連携し、REST/JSON形式で直接データを取得できるのです。

普及への課題

電子レシートの良さは、ある程度皆さんに理解・浸透できたと思いますが、その普及に関しては一筋縄にはいきません。

B2C視点では消費者サイドのエンドユーザー、供給サイドの小売/流通、事業者側にとっての強力なインセンティブが必要です。特に小売/流通大手が自分たちの競争の源の一つであるPOSデータを他社に提供することは抵抗があります。また、B2B視点ではそれに加え、税制優遇等のシンプルかつ強力なインセンティブの組み合わせが必要です。

キャッシュレス推進

数ヶ月の試行錯誤の後、今後の普及は電子レシート単体ではなく、キャッシュレスと同時に普及させることがベストだと判断しました。その当時、2020年に向けキャッシュレス推進の流れは来ると感じていました。

そこで経産省主導のキャッシュレス・ビジョンへの電子レシート普及の追加をお願いし、その当時水面下で設立に向け動いていたキャッシュレス推進協議会の受け皿として、2018年6月にFintech協会の電子レシート分科会と決済分科会 (Fintech協会代表 丸山さんリード) と統合し、新しく「キャッシュレス分科会」を設立しました。

今思うと、スタートアップ/ベンチャー中心の団体だからできたスピード感でした。

【一般社団法人Fintech協会ほか】キャッシュレスに関わるFintech企業6社による合同記者向け勉強会「キャッシュレス社会に向けて」を開催! …GoodWayは金融機関やIT企業のプレスリリース配信、フィンテック(FinTech)関連のイベント情報など最新動向を提供します。株式会社グッドウェイは金融・IT・教育における未来の創造・共存共栄・エコシステムを目指すメディア・プロモーショ…goodway.co.jp

第一回キャッシュレス分科会として、ペーパーレスをテーマに電子レシート実証実験結果等を協会会員向けに広く共有しました。

新しく結成したキャッシュレス分科会の中で、一般社団法人キャッシュレス推進協議会の【PJ18–3】「キャッシュレス決済時のペーパーレス」プロジェクトにおける計5回の分科会 (2018年10月~2019年3月) に参加し、キャッシュレスとペーパーレスを同時に推進します。ペーパーレスでは電子レシート普及だけでないので、実際にはスコープ拡大となります。

それらの分科会を通して、繰り返し強調してきたことを以下にまとめておきます。

202x年に向けてなくすべきもの

今後のために、以下のような「キャッシュレスなのに紙!?」をなくすべきです。

お財布のレシート束

お財布がレシートでパンパンになっている方をよく見かけます。さらに、せっかくキャッシュレスなのに、紙の売上票 (控え) を出しているお店が多いです。

Suica等のICカード/電子マネー、デビット/プリペイドカード、クレジットカード (1回払い等、2か月以内の支払) 利用時は法令義務はないので、紙の売上票をデフォルト出さずに、せめて紙ではなく電子の利用明細で良いのではと思います。

コンビニの不要レシート入れ

環境 (エコ) にも優しくありません。通常時もキャッシュレス時も、紙のレシートをデフォルト出さないようにし、さらに一部のスーパーで成功している有料レジ袋の仕組みを応用し、希望者のみ (有料) とするなどが有効かと思います。

レシートの糊付け

日本の経費精算はまさに非効率の塊、会社の従業員が残業してまでレシートを糊付けしている国は他にあるのでしょうか? 紙の保存コスト (倉庫代) 含め社会全体で年間最大1.9兆円のムダとのことです。

白紙の領収書

実際には見たことはないですが、企業における経費の不正利用の可能性が高まります。上流側でデータを繋げれれば、改ざん防止の仕組みにすることができます。

最後に

2018年5月には光栄なことにJ-WAVEの番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(ナビゲーター: 別所哲也さん) に出演させていただき、キャッシュレスと電子レシートの世界を発進させていただきました。

これに限らず、キャッシュレスとペーパーレスを同時に推進し、日本のグローバル競争力を高めていきたいと思っております。引き続きよろしくお願い致します。

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