野球型か、サッカー型か

今回は弊社でも新しい社員が増え、話題になる組織の考え方の話。前職のMicrosoftでのマネージャー研修で最初に学んだのは、チーム作りとして「サッカー型」組織をつくること、そして選手が活躍できる「環境作り」に徹することでした。今回はチームビルディングにおける「サッカー型」組織の話にフォーカスし、「環境作り」の話は次の機会とします。

まずは、日本で人気がある「野球」と比較して「サッカー型」組織を説明します。

野球型

野球はピッチャー、キャッチャー、野手とポジションが決まっており、選手は監督/コーチの指示を受け、バッターボックスに立ちます。攻守がはっきりしており、試合終了の時間も決まっていません。

どちらかというと「野球型」組織とは、トップダウンの傾向が強い組織といえ、監督/コーチが答えを持っている場合に機能すると考えられます。

サッカー型

サッカーはFW/MF/DF/GKとポジションは決まっていますが、基本選手自身が自律的に動きます。FWは基本攻めてゴールを決める役割ですが、場合によっては守りに戻る時があります。攻守の入れ替えが早く、試合終了は時間で決まります。

そういうことで、「サッカー型」組織とは、トップの戦略を明確化した後の実行はより選手に任せる自律的な組織といえ、現代のような変化が激しく、答えがない時代に機能すると考えられます。また、制限時間内に結果が求められます。

「正解がない時代」はサッカー型

ただ、どちらが正しいかではなく、業種や職種、時代や環境で変わります。日本国内でも時代とともに野球からサッカーに人気が移りました。ただし、野球もこのままではいけないと改革が進み人気が戻り、サッカーもW杯になるとまた巻き返しています。

結局は、組織にあった型を経営者が選択することです。注意点としては、一度組織が「野球型」に染まってしまうと「サッカー型」に移行するのは時間がかかります。また、「サッカー型」の組織に「野球型」の人材を入れることも避けたいところです。その逆もしかり。

現代は「正解がない」時代と言われます。その場合、状況によって変化・進化できる自律型が望ましいです。指示がないと動けない人材ではなく、指示がなくともプロアクティブに動ける人材が活躍できる時代です。Engineeringの開発プロセスでいうと、野球型はWaterfall開発、サッカー型はAgile開発に近く、弊社のようなスタートアップは正解がなく「サッカー型」がより機能します。

元LINE CEOの森川氏もイノベーション創出と「サッカー型」組織の関係を著書「シンプルに考える」やイベントにて説いております。シンプルに考えるシンプルに考えるシンプルに考えるamzn.asia

「働き方改革」もサッカー型

現在、国内で進めている「働き方改革」ですが、これは組織の「サッカー型」への移行、その改革の手段としてITをフル活用しようという国レベルの生産性向上の取り組みと考えられます。以下、参考記事となります。野球型VSサッカー型――これからの人事は「働き方改革」を実現する組織開発を|社員研修・教育ならPHP人材開発組織を語るとき、「野球型」か「サッカー型」かで対比されることがよくあります。あなたの会社はどちらでしょうか。「働き方改革」が成功するかしないか、その成否は、組織の在り方が大きく影響します。今回は「働き方改革」の視点かhrd.php.co.jp

また、これは個々がプロとして、という前提がまあまあ当てはまるので注意が必要です。実際の経営の現場では、まだプロとしてピッチに立てるかどうか、そこにたどり着いてない人をどう1軍に上がれるよう育てるか、様々な課題にぶち当たります。これは次回の「環境作り」の話に繋げたいと思います。

ピーター・ドラッカーの1992年の記事にも、組織の形として「野球型」と「サッカー型」に触れています。90年前半なので、実際に研究対象になっているのはおそらく80年代です。当時、米国の製造業は「野球型」、トヨタ式生産システムに代表される日本の製造業は「サッカー型」と言及しているようです。もう一つ「テニスダブルス型」もあるので興味ある人は以下のリンクより (英語版) 調べて見てください。The New Society of OrganizationsEvery few hundred years throughout Western history, a sharp transformation has occurred. In a matter of decades…hbr.org

世界で戦えるチームを

話は少しそれますが、今月からいよいよ 2018 FIFA WORLD CUP RUSSIA が開催されます。弊社はヨーロッパだとフランス、ベルギー出身のメンバーがおり、日本代表も出ることから寝不足の日々がしばらく続くと予想しています。ただ、米国、カナダ出身のメンバーはいつも通りの様子です。

グローバル視点ではメジャーリーグやプレミア/セリエAなど、野球もサッカーも世界で日本の選手が戦えるようになってきました。最近は80年代に少年ジャンプやTVアニメで夢中になった「キャプテン翼」が再制作/放送され、今息子と一緒に見ているなど面白いです。

結局は、組織にあった型を経営者が選択すること、その人材を世界から集め、彼らが活躍できる「環境作り」をすることかと思います。我々も野球とサッカーのように、世界で戦えるチーム、プレイヤーを育てることが重要です。また、両方の共通点は、結果として試合に勝つことが目的の一つですが、それだけでなくスポーツを通して仲間を大切にし、人間として成長することも忘れてはいけないと考えます。

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